街路樹

  • 2007.03.17 Saturday
  • 19:08





颱風が来る私のまちでは、街路樹はとてもかわいそうです。

枝はボキボキに吹き飛んでとても秋の紅葉を愛でるどころではありませ

ん。

そうなるのが悲しいからか人々は、木を強く剪定をします。

まるで床屋さんから出たて中学生のよう。妙に青々しい剃り跡。



“なんか違う・・・”



生まれ育ったこの街で私は、

並木や庭の植木を眺めても自分の心のなかには

ずっと違和感をかかえたままでした。


言葉にできない不満足感・・・・。


それがうまれて初めて、自分のこころに

まっすぐにはいってくる緑を知りました。

留学先のミラノでの、立ち並ぶ街路樹たちの一斉の芽吹きです。

ニレ、プラタナス、エノキ、ノルウエーメープル、

ニセアカシア、エンジュ...。




それはなんといって表現したらいいのでしょう、

黄緑の色素がほんの一瞬にしてこの世に誕生したような、

グレー色の街からの再生のドラマでした。

街の木々たちの芽吹き、それは

自然のままに自由に枝々を伸ばした街路樹たちだからこそ

全身で表現できた、樹木たちの歓びのChorus(うた)でした。




・・・今、私の事務所の窓の下にあるアメリカ楓(ふう)の並木は、

まるで囚われの芸術家です。

無機質なビル街に、そのみじめな姿を規則正しく連ねています。

盆栽なみにかっきり剪定された不自然な枝は、

バンザイをしながらあきらめの表情。

私がヨーロッパの街で見た街路樹たちとは別種の風景でした。




ちょうどそれは・・・・

私が子供のときからずっと「何か変」と

思い続けていたなつかしの郷土の風景でも、あります。





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